Calamitaカラミータ

  •  私達は、イタリアを代表するハンドメイドバイクブランドTOMMASINI、CASATIを長期にわたり扱ってきました。Tommasiniについては30年余りの長い付き合いをしています。カーボン材料がスポーツバイク市場を席巻する中で、彼らはこれらの新素材に目を向けつつも、スチール素材の持つ温かみを昔ながらの伝統的な手法と共に継承してきました。
    その手間・時間の掛かる作業は、希少性を生み出し、持てる者に優越感をもたらし、また少し高価なものとなっています。

     正直言えば、彼らとの長年の付き合いの中で、他の多くのイタリア・ブランドのように台湾や中国での製造を促したこともありました。しかし、彼らは頑なにイタリア国内での生産に拘り、それを拒否してきました。今となっては、その頑固なポリシーは多くの皆様から逆に評価されています。

     手入れを怠れば錆びついて、さらに年月を経れば朽ち果ててしまうスチール。しかし、その欠点は逆に生命感に溢れ、そのしなやかさは無機質なアルミやカーボン素材と違った感動を与えてくれます。そのような感動をイタリア製のハンドメイドフレームだけでなく、多くの方に広く知ってもらいたいと考えたのが、このCalamitaのスタート地点でした。幸いなことに私達はTOMMASINIやCASATI、そして競輪文化を支える日本のビルダー達を通じて、そのエッセンスとマインドを学ぶことができました。また、世界中の自転車関連工場を通じての商品開発経験もバイク作りに生かす事ができました。

     スチールに魅力を感じ引き込まれるのは、まさに私たち自身が、磁石(=Calamita)そのものです。そして良いスチールフレームは、遠くへ早く楽に連れて行ってくれます。
     もっと簡単にその感動を手にする事ができたらとこのプロジェクトが発信しました。ただ早く走るだけなら、カーボンのような新素材にその役目はまかせた方が良いでしょう。でも、五官(視・聴・嗅・味・触)に感じるバイクは、出来の良いスチールバイクが一番であるという結論は多くのエンスー達が認めるところです。シャシー(フレーム)にコストを掛け(クラス最軽量!)、エンジンの好みに応じたバージョンアップをする余地を残しています。いわば弄る楽しみです。言い換えれば未完成とも言えますが、それがCalamitaの魅力でもあります。

     いくつものフレームを荒川や奥武蔵の峰々で、四季を味わいながらテストを繰り返し、いまのカタチになりました。試乗してみると価格とその性能のギャップに驚くでしょう。勿論良い意味での驚きですし、長距離を走れば走るほどその思いを強くされる方が多いようです。